「小布施若者会議」の参加をきっかけに町の魅力を実感。
町民とクリエイターをつなぐコワーキングスペース「ハウスホクサイ」の運営へ。
ハウスホクサイ 塩澤 耕平さん・美幸さん
2018年、北斎の天井絵で知られる岩松院の向かいにコワーキングスペース「ハウスホクサイ」が誕生しました。運営するのは、長野県駒ヶ根市出身の塩澤耕平さんです。東京のIT会社のヘルスケア部門勤務を経て東北地方の在宅診療所に転職し、東日本大震災の復興に関わる新規IT事業に従事。妻の美幸さんともそこで出会いました。海外の仕事なども経験して、刺激的な日々のかたわら、高校生に自らの進路を話す機会があり、自分の人生を振り返るようになったそうです。そして、人が集まるカフェを作り、地域で活動したいと考えるようになりました。そんな折、小布施在住の友人で、若者がまちづくりについて議論し、事業提案・実現をめざすプロジェクト「小布施若者会議」を企画・運営する大宮透さんに誘われ、2017年の会議に初参加したのです。議題は「クリエイターが集まる拠点を作ろう」というものでした。
その参加を機に、町民や行政、町の企業とも関わるようになり、次第にコワーキングスペースの運営に魅力を感じ始めた耕平さん。周囲の協力もあって12月には地域おこし協力隊員となり、現在は「ハウスホクサイ」を拠点として町民とクリエイターがつながるきっかけ作りをしています。
「新たなつながりができるフィールドがあることは面白いですし、それが移住や二拠点居住、新しい活動につながると感じています。また、地域の人と目線を合わせ、町内外の人とプロジェクトを進めていく流れは東北での経験が生きています」
加えて、当初は夫婦ともに東京にも住居をもつことも考えていたそうですが、今では「小布施に移住してよかった」と話します。東京でのお仕事もありますが、「2時間半で都内に出れるのも近くて良い」とのこと。
「この町は外の人を受け入れる土壌がありますし、独自のアイデンティティを町の人がもっていて、町一体で景観を美しくしたり、風土マラソンなどのイベントを盛り上げたりと、ひとつの会社のような面白さがあります。コンパクトで相談事も誰にしたらいいか顔が見えやすく、町自体に歴史やストーリーがあるのも魅力ですね」
こうした思いから、小布施を新たな活動のコアとなる場所にしていきたいと話す耕平さん。まだまだ夢は広がります。